前年度までに作られた様々なヤヌス型ヘテロ界面膜を用いて、温度、pH、化学などの刺激応答に伴うナノ膜の構造変化を観察を試みた。ヘテロ膜を作成した液液界面だけでなく、それを均一溶液系に変えた状態や、基板へ移し取った状態など、様々な状態での構造変化を多角的に検討する。観察手段としては、光学顕微鏡、走査型フォース顕微鏡、レーザー共晶点顕微鏡などの手法を駆使して検討した。 マクロな液膜だけでなく、両連続相構造などのマイクロエマルション状態で作成したヘテロ膜でも検討を行った。その構造性を生かして、アクチュエーターとしての変位が起こる方向性を制御や、変位の拡大を狙う。 最終的に界面クリック反応を応用して、ヤヌス型(ヘテロ)ナノ膜の構築に成功した。特に、感温性高分子と水溶性高分子を液液界面で架橋させて作成したヤヌス型フィルムを作成、温度に応じて、屈曲させるデモンストレーションに成功した。セルフサポートなナノ薄膜の片面だけを架橋したフィルムの作成に成功した。
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