研究課題
本研究では、結晶の格子振動の情報を取得できるテラヘルツ分光法を、有機ナノ材料や有機ナノ結晶へ適用し、有機ナノ材料のナノサイズ化に起因した物性の解明を目指した。有機ナノ材料における励起子の挙動と格子振動の関係を明らかにするため、時間相関単一光子計数による蛍光寿命測定装置の構築を行った。有機ナノ材料のテラヘルツ分光測定を行うため、市販のフーリエ変換型テラヘルツ分光装置および時間領域テラヘルツ分光装置を用い、ペリレンビスイミド誘導体の粉末をペレット状にした試料について測定を行った。その結果、有機材料のテラヘルツ分光測定には、2-4mg/cm2程度のサンプル量が必要であることが分かった。次に、再沈殿法により有機ナノ結晶の合成を行ったが、密度勾配遠心分離法によるナノ結晶の分画によってサイズが制御されたナノ結晶をミリグラムオーダーで得ることは、現在の実験設備では容易でないことが分かった。そこでより高感度なテラヘルツ波測定を可能にするため、電気光学サンプリングによる時間領域テラヘルツ分光装置の構築を行った。また、電気光学定数の値が大きく、テラヘルツ波の発生材料として有望といえる有機電気光学ポリマーの薄膜からの高効率なテラヘルツ波の発生を確認した。
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Journal of Nanoscience and Nanotechnology
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