ナノ粒子の集積構造は、ナノ粒子単体とは異なる機能を発現する。ナノ粒子が中空状に集積したナノ粒子ベシクルでは、触媒性能の向上や特異なプラズモン特性が報告されている。しかし、従来法では多段階プロセスや低収率といった問題点があった。本研究では、アニオン性界面活性剤の分子集合体を利用したナノ粒子ベシクルの新規合成プロセスを開発した。ナノ粒子存在下でその分子集合体を形成させた後に、シリカ析出反応を行うことで、シリカコートしたナノ粒子ベシクルを高い収率で簡便に合成することに成功した。この手法は種々のナノ粒子の集積に適用可能であり、触媒やプラズモン材料の高機能化に大きく寄与することが期待できる。
|