コロイダルシリカでマルチ架橋されたポリマーネットワークが形成するハイドロゲルは、反応性ポリマー水溶液とコロイダルシリカ分散液を混合することによりゲル形成が進行する。本研究課題では、このゲル形成システムを利用したゲルマイクロ粒子の作製および構造制御について検討した。反応性ポリマー水溶液とコロイダルシリカ分散液の混合水溶液をシリコンオイル(油相)中に分散、懸濁させることにより、球状ゲルマイクロ粒子を作製することが可能であり、異なる粘度の懸濁媒体を用いることで、ゲルマイクロ粒子のサイズを数10ミクロンから数100ミクロンの範囲で容易に制御できることを確認した。シリコンオイル中にアミノ基をもつシランカップリング剤を添加することで、ゲルマイクロ粒子どうしの凝集を抑制できるが、シランカップリング剤が、ゲルマイクロ粒子内部に徐々に浸透し、粒子強度を向上させることが確認された。また、ゲルマイクロ粒子を用いた多孔質体の作製にもチャレンジし、数ナノから10数ナノの空孔径をもつ多孔質ハイブリッド微粒子、さらにはハイブリッド体の焼成による多孔質シリカ微粒子を作製することに成功した。
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