本研究では、表面プラズモン共鳴効果を利用した細胞内分子操作手法について検討した。プラズモニックチップ上で神経細胞を培養し、細胞表面に局在する量子ドット標識神経細胞接着分子にレーザー光を照射したところ、レーザー集光領域における平均通過時間がカバーガラスで培養した結果と比較して長くなることを見出した。同様の結果はナノ粒子分散系においても確認された。以上の結果から、表面プラズモン共鳴効果に基づき光捕捉力が増大し、単一ナノ粒子の粒子運動や細胞表面の分子運動が強く束縛されたと考えられ、本手法が細胞の局所光操作に有用であることを実証した。
|