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2013 年度 実績報告書

ナノポアトラップ法を用いた単一ウイルス粒子識別法の創成

研究課題

研究課題/領域番号 25600061
研究機関大阪大学

研究代表者

筒井 真楠  大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50546596)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2014-03-31
キーワードナノポア / センサー / 電気泳動 / ナノ粒子
研究概要

本研究では、低アスペクト比ナノポアセンサーを応用発展させ、電気的に1個のナノ粒子や生体分子をナノ細孔中にトラップ/脱トラップさせる技術を新規に開発することを目的とした。また、この手法を駆使することで、ゲーティングナノポア構造を用いてナノ細孔中に捕捉した単一ウイルス粒子のインピーダンス計測を行い、その電気容量や電気伝導率による1粒子識別を実証することで、分子の体積以外の情報を得ることができる新しいナノポアセンシング技術を創成することを目指した。
低アスペクト比構造を有するナノポアを用いて、当該ナノポアの直径より小さい粒径を有するポリスチレン粒子のトラップ現象を、ポアを通るイオン電流計測を通して調べた。その結果、ポアに単一粒子が電気泳動的に補足されたことを示唆するイオン電流の減少が観測された。また、このナノポアトラップ法を応用し、異なる表面修飾が施されたポリスチレン粒子(粒径は同じ)について単一粒子トラップ測定を行い、その時に現れるイオン電流の減少量を指標として、ポリスチレン粒子の表面電荷密度の違いを識別することが可能であることを明らかにした。さらに、ナノポアにナノ電極対を組み込んだデバイスを作製し、当該ナノ電極間に生じるイオン電流を測定したところ、ナノポアトラップ法により単一ナノ粒子が捕捉されると同時に、ナノ電極間の電流が過渡応答を示した。これは、トラップされたナノ粒子によって、ナノ電極表面近傍に形成された電気二重層の状態が変化したことに起因する現象であると考えられる。
以上のように、ナノポアトラップ法を基盤とした検体の体積以外の情報を得ることができる新しいナノポアセンシング技術を創成することに成功した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Trapping and identifying single-nanoparticles using a low-aspect-ratio nanopore2013

    • 著者名/発表者名
      M. Tsutsui, Y. Maeda, Y. He, S. Hongo, S. Ryuzaki, S. Kawano, T. Kawai, and M. Taniguchi
    • 雑誌名

      Appl. Phys. Lett

      巻: 103巻 ページ: 023112

    • DOI

      10.1063/1.4813084

    • 査読あり
  • [学会発表] Controlling particle position using a nanopore trapping method2013

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Maeda, Makusu Tsutsui, Kentaro Doi, Satoyuki Kawano, Tomoji Kawai, Masateru Taniguchi
    • 学会等名
      MicroTAS 2013
    • 発表場所
      Freiburg, Germany
    • 年月日
      20131030-20131030
  • [学会発表] ナノポアトラップ法による単一粒子の識別2013

    • 著者名/発表者名
      前田陽一、筒井真楠、土井謙太郎、川野聡恭、川合知二、谷口正輝
    • 学会等名
      第74回応用物理学会秋季学術講演会
    • 発表場所
      同志社大学、京田辺市
    • 年月日
      20130916-20130916

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公開日: 2015-05-28  

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