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2014 年度 実施状況報告書

有機高分子薄膜による医用圧電ナノアクチュエーター材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25600063
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

吉木 啓介  兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60432548)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードコラーゲン / 圧電素子 / SHG顕微鏡 / 電気化学法
研究実績の概要

コラーゲン薄膜の作製方法としてコラーゲン溶液から電気化学的に線維を生成する手法により,より細い線維の作製を試みた.従来は100μm程度の太さを持つ線維しか作成できなかったが,カッティングプロッタの採用により電極間隔の縮小に成功し,より細い線維の作製を行うことが出来た.電極間隔は従来の銅電極では3mm程度のものを利用していたが,本実験では200μmの間隔まで縮小することが出来た.その結果,電極間隔と線維の太さの間に正の相関が見られることがわかり,最小で8μmの太さの線維を得ることに成功した.同時に,4μm程度の太さが限界ということも外挿により明らかとなり,これはアキレス腱コラーゲンをSHG顕微鏡で観察した際の線維間隔にも概ね一致し,線維束の生成メカニズムに関係すると考えられる.本成果を平板電極に応用することによって,平板状コラーゲン薄膜を生成することによって,それ自体が薄膜デバイスの素材となるのみならず,ドライプロセスであるスパッタ工程のためのターゲットとしても利用可能である.
また,作製したコラーゲンの力学特性を計測するための引張試験機の開発も行っており,試験片となるコラーゲン線維の把持を行う方法について検討した.方法はDEP法による把持電極へのコラーゲン分子の引き寄せと,その後の電気化学法による線維の形成によって,1対の電極によって把持されたコラーゲン線維の作製に成功した.また,一連の実験を可能にする実験環境として,位相差,微分干渉,偏光,蛍光,SHG等の顕微観察を,試料を動かすこと無く切り替えて行えるシステムを構築し,コラーゲン線維束一本でも観察可能,かつ,線維の性質を多角的に評価可能なな研究環境を整えた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スパッタリングターゲットの開発を行う過程で,薄い(細い)コラーゲン構造体の作製には,想定していたより多くの作製条件をかみしなければならないことが明らかとなったため,その追求に時間を多く割くこととなった.しかし,そのことによってスパッタリング以外でもアクチュエーターが作製できる可能性も示唆されたため,工程にそれほど遅れは生じていない.

今後の研究の推進方策

本実験結果より,電極間隔をこの間隔より狭くすれば,線維束より小さなコラーゲン単位構造を作製出来る可能性があると考えている.その場合,当初予定していたドライプロセスによるナノ薄膜より簡便にウェットプロセスによる薄膜の生成が可能となる.ドライプロセスの可否は検討するが,研究の重点をウェットプロセスへ移すことにより,より効果的な薄膜作成法を目指す予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] SHG顕微鏡とマイクロ引張り試験機を用いたコラーゲン線維内の応力分布 の可視2015

    • 著者名/発表者名
      吉木啓介
    • 学会等名
      第9回NIBBバイオイメージングフォーラム
    • 発表場所
      岡崎コンファレンスセンター(愛知県岡崎市)
    • 年月日
      2015-01-26 – 2015-01-27
    • 招待講演
  • [学会発表] 超臨界二酸化炭素雰囲気におけるレーザー深穴加工2014

    • 著者名/発表者名
      吉木啓介
    • 学会等名
      第75回応用物理学会秋季学術講演会
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市)
    • 年月日
      2014-09-17 – 2014-09-20
  • [学会発表] 第 2 高調波発生顕微鏡によるアキレス腱コラーゲン内の応力分布計測2014

    • 著者名/発表者名
      吉木啓介
    • 学会等名
      日本実験力学会 2014年度年次講演会
    • 発表場所
      兵庫県立大学(兵庫県姫路市)
    • 年月日
      2014-08-28 – 2014-08-30

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公開日: 2016-05-27  

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