本研究では、ES細胞から血液細胞への分化誘導をデバイス内の微細流路内で行い、シリンジポンプを用いてデバイス内の細胞に定量的に流れ刺激やNOによる化学刺激を与えることで、胎生期の造血を模擬した実験系の構築を試みた。 送液培養の影響を調べた結果、静置培養と比較して血液細胞産生数が多いことが示された。この結果は、既報のマウスやゼブラフィッシュ胚で血流が関与するという結果と一致する。次にNO濃度の血液細胞産生数への影響を調べた。NO発生剤を加えた場合産生数の増加が見られた。NO消去剤を加えたときには、予想通り血液細胞数の減少が見られ、NOは血液細胞産生に関与していることを裏付けた。
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