本研究では、太陽電池用シリコン基板のコスト低減のため、融液から直接薄板状結晶を成長させる手法を提案した。従来手法では大型インゴットを切断、スライスすることにより薄板状基板を作製しているが、このスライス工程で切削屑により歩留まりが50%となっていた。本研究は、放射冷却を制御することにより融液表面で薄板状結晶を成長させることを目的とした。その結果、融液上面に設置した冷却プレートの位置の変化により、過冷却度を5℃変化できることを計算により示した。また、結晶成長の結果より基板と同じ方位の薄板結晶が得られることが分かった。したがって、本手法を用いることで高品質な薄板結晶を成長できることが示唆された。
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