Co単原子によるスピンフリップ散乱を実現するためのスピン偏極した電子状態を持つ、安定な表面として、Si(111)√3x√3-AgとBi原子の2次元表面合金相、およびBi(110)超薄膜を形成し、その成長過程と物性をSTMで調べた。 この結果、Si(111)√3x√3-Ag上にBi原子を供給した計では、基板温度400℃付近で、Ag-Bi合金化が起こり、この結果Ag(111)の表面原子配列中に√3x√3と2x√3のlocal orderをもってBi原子が置換した新表面構造が現われることが明らかになった。 またSi(111)√3x√3-B基板上にBi原子を蒸着して場合には、基板の√3格子とBi(110)格子がそれぞれ対角線方向にcommensurateすることにより、2種類の3階対称軸に沿って伸びる長細い形状のBi(110)超薄膜が発生するtこが明らかになった。またこれら異なった方向を指向するBi(110)島が合体した境界におけるドメイン間の接続を、原子レベルで明らかにした。ただしこの表面の電子状態をSTMを用いたQPI(quasi particle interference)による評価を試みたが、スピン偏極に伴う特徴的なパターンは明瞭に観測されなかった。
|