グラフェンナノ細孔を用いる分子ゲートデバイスの実現へ向けて、原子間力顕微鏡による制御性の極めて優れたナノ細孔形成技術を確立した。キーとなるアイデアは、Agコート探針をグラフェンに接触させ、通電により発生するジュール加熱とAgの触媒作用によってグラフェンを酸化することである。タッピングモードにおいて、探針の最も低い位置を一定として反応を自己停止させ、再現性良く探針形状に応じた細孔を形成することに成功した。シャープな探針の採用により、20nm程度の細孔も指定した位置に形成できる。また、高分子ポリマーを生体分子に見立て細孔を通過するときのイオン電流のドロップを観測した。
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