研究課題/領域番号 |
25600106
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 俊一 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30162431)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ベクトルビーム / スーパーオシレーション |
研究概要 |
スーパーオシレーション(超振動)によって、光の回折限界よりもはるかに小さな光のスポットを形成し、共焦点光学系での結像特性をシミュレーションによって解析して、最適な光学系を設計することを目標としている。スーパーオシレーションは、様々な光ビームによって実現可能であると考えられるが、本研究においてはベクトルビームの適用を図る。これは、ベクトルビームが従来の直線偏光ビームに比べて、より小さな光スポットを形成すること、そのスポットが真に円筒対称性を有しているためである。本年度は、径偏光ビームに対するスーパーオシレーションの特性をシミュレーションによって調査した。偏光を考慮した回折積分を用いて、偏光が放射状に分布した径偏光ビームをある条件下で集光すると、中央のスポット径が回折限界以下となること、その周囲に存在するサイドローブが円筒対称な強度分布を持ち、その強度は過去の例よりも格段に小さいことを見出し、その特性を詳細に調べた。他の光ビームで報告されているスーパーオシレーションによる微小スポットと比較して、径偏光ビームによるスポット径が波長の約0.2であることを見出した。さらに、サイドローブの強度は10倍程度と低いため、共焦点光学顕微鏡においいては、サイドローブの影響が大幅に軽減され、微小スポットからの蛍光信号を高いSN比で計測できることが期待される。また、これらと並行して、ベクトルベッセルビームの開発も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スーパーオシレーションにおける結像特性のシミュレーションなどを遂行し、微小スポット形成が可能であることを見出している。また、実験に必要なベクトルビームの開発にも成功している。
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今後の研究の推進方策 |
微小スポットの計測と超解像イメージングへの適用を進め、スーパーオシレーションの有用性を実証する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた旅費の使用が無かったため、全体として次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、翌年度分と合わせて、旅費や消耗品費としてほぼ計画通りに使用する。
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