研究課題/領域番号 |
25600112
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
米田 仁紀 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 教授 (00210790)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | プラズマグレーティング / 超短パルスレーザー / 超高出力レーザー / チャープパルス増幅 |
研究概要 |
オゾングレーティングを超短パルスレーザーに応用するためには、高い回折効率を広帯域の光に対し達成しなくてはならない。これをレーザー書き込みにより達成するために、バンド幅の広い光を分散させ、その波長ごとに干渉させる光学系を設計した。具体的には、書き込みレーザーとしてオゾンの吸収に合わせた248nmのKrFレーザーを用い、その回折素子として合成石英のプリズムを8個配置し高効率で回折ができるように調整を行った。入射角度をブリュスター角度近くに調整し、分散光学素子部の損失を低減した結果、1素子あたりの透過率を94%まで高めることができ、8個のプリズム系で60%を超える分散光を発生させることに成功した。この光により、マイケルソン型の干渉計を通すことで干渉させ、書き込み用の干渉縞を発生させたが、その周期モニターを準備する必要があった。本研究では、直接その強弱が観測できるように、高解像度をもった蛍光体に干渉光を照射し、それを高倍率の顕微鏡対物レンズで拡大、CCDカメラで観測する手法をとった。ここでは、必要とされる干渉縞本数は、3x10^4を超え、通常のCCDカメラの素子数を超えてしまう。また、高空間分解能と視野の広さはほぼ反比例するために、一つのセッティングで可能な観測本数は200程度が限界であり、それを横方向にスキャンすることで、全体の干渉縞を観測するモニター装置を開発した。これらから、実際にチャープした光を回折させるオゾングレーティングの書き込み部分の準備が終了し、今後、実際にオゾン上に書き込みを行い、その回折効率の評価を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最終目標である1μmの1/4ピッチの粗密を書き込むためには、書き込む紫外レーザーに対し高い時間コヒーレンスを必要とする。一方、チャープされた光を回折させるために、広帯域光を使用するが、このために、高透過率で波長分散させ、そのコヒーレンスを評価していく必要があるが、その光学系の追い込みに時間を要した。結果的に94%/プリズムの透過率を達成できたが、グレーティング生成まで至らなかったことは、やや遅れていると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
すでに、書き込むレーザーの縞をモニターする手法は開発しているので、実際に小型の回折格子を形成させ、回折効率を評価する。その後、干渉縞の縞を細かくしていき、回折格子の回折能力の最適化を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
残額は1,690円と少額であり、ほぼ研究計画通りに進んでいる。 消耗品の一部として使用を予定する。
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