本研究の目的は、高感度な無標識生体観察法として注目を集めている誘導ラマン散乱(SRS)顕微法に対して実用性の高いレーザー光源を適用し、高性能と高い実用性を両立することと、そのための新規光制御技術を創出することである。当初は高次ナイキスト領域における雑音抑制に取り組む予定であったが、研究開始後にアプローチを変更し、以下の3点の成果を挙げた。(1)ファイバーレーザー型SRS顕微鏡による分光イメージングの実現。(2)光雑音の遅延干渉によるRFスペクトル変調現象の発見。(3)新規高速波長可変パルスファイバーレーザーの実現。これらを通じて、当初の目的はほぼ達成できたと考えている。
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