熱電子発電は、熱を電気に変換するクリーンエネルギーの一つである。我々は、低温でも動作が可能な、SiCを利用したマイクロギャップを有する熱電発電デバイスを試作し評価し、830℃という比較的低温で動作させることに成功した。また、最大の出力密度として、11.5 mW/cm2 を得た。さらに、エミッタからの熱損失を実験と理論の両面で評価した。熱損失を見積もるために、エミッタとコレクタ間の熱抵抗を測定した結果、約2.4 K/Wであった。この結果、最も大きな熱損失は、酸化膜スペーサーによるエミッタ‐コレクタ間の熱損失であった。スペーサのサイズを小さくすることで、熱損失を減らし効率を上げることが可能である。
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