研究課題
本研究では、量子ビームと呼ばれる放射光X線、中性子、ミュオンを相補的に利用しソフトマター研究を進め、その有用性を示し、今後多くの研究分野で量子ビームの利用がより活性化されることを狙った。以下の2つのテーマについて具体的に研究を進めた。(1)高分子薄膜のガラス転移、(2)ゴム物質の構造とダイナミクス、の2つである。(1)については、高分子薄膜のガラス転移については中性子反射率測定と超低速ミュオンの相補利用によりガラス転移温度の薄膜中での分布を解明した。(2)につては比較的実用材料に近いフィラーを含むゴム系に注目し、小角X線散乱と小角中性子散乱の相補利用により構造解明を行うと同時に、ミュオンスピン緩和と非弾性中性子散乱の相補利用により、そのダイナミクスを広い空間と時間スケールにおいて明らかにすることに成功した。これらの2つの系において、量子ビームの相補利用の有効性を具体的に示した。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 6件、 招待講演 6件)
J. Appl. Cryst.
巻: 48 ページ: 1645-1650
10.1107/S1600576715016
J. Phys. Chem. C
巻: 119 ページ: 24307-24314
10.1021/acs.jpcc.5b08237
Phys. Rev. E
巻: 92 ページ: 022604-1-7
10.1103/PhysRevE.92.022604
Macromolecules
巻: 48 ページ: 3337-3343
10.1021/acs.macromol.5b00372
SCIENTIFIC REPORTS
巻: 5 ページ: 154851-14
10.1107/S1600576715016684