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2015 年度 実績報告書

微分ガロア理論の量子化

研究課題

研究課題/領域番号 25610004
研究機関名古屋大学

研究代表者

梅村 浩  名古屋大学, 多元数理科学研究科, 名誉教授 (40022678)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードガロア理論 / 量子化
研究実績の概要

標数0の定数係数の線型差分・微分方程式のガロア理論が完成した.ただし考察される環は必ずしも可換とは限らない。さらに一般に基礎体の標数が一般である時、任意のホップ代数を作用域とする場合に拡張した。これはホップ代数の専門家が、作用域のホップ代数が余可換であり、作用を受ける環が可換である場合にピカール・ヴェッシオ理論と呼ばれる線型差分・微分方程式のガロア理論を統一的に一般化したものの, さらに非可換な環への拡張、すなわちガロア理論の量子化である。ガロア群は一般の量子群となる。
アルファベットのqは18世紀以来、数学の様々の文脈で出現する。すなわち、(1)オイラーによるq-差分方程式あるいはq-類似。(2)標数pの有限体の元の個数q=pのn乗。(3)楕円関数に現れる楕円モジュラスq=exp(2πτ)。(4)量子力学(quantum physics)の頭文字。
文字qが頻繁に出現する理由は、アルファベットが,わずか26文字のみから成ることによると考えられる。そしてこれら4種類のqが先験的に関係を持っているとは思えない。しかし、数学的・物理学的には必ずしもそうとは言えない。例えば(2)のq=pのn乗は素数(prime number)の頭文字pの次にアルファベットに出現する文字qを採用したに過ぎないと思われる。しかし、q-類似(1)と元の個数の数え上げである(2)には本質的な関係がある。またヤコビはオイラーの3重積公式を楕円関数の理論を使って証明し、q-類似(1)と楕円関数論(3)が予期せぬ深い関係があるのを発見した。(4)におけるキ-ワードは非可換化であり、(1) 、(2)、 (3)の理論をを非可換化することは興味深いことではあるが、容易ではない。その一つの例として、我々は定数係数の一般化された線形差分微分方程式の量子化に成功したのである。今後の発展としては、定数係数でない場合への拡張が考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] Toward quantization of Picard-Vessiot Theory2015

    • 著者名/発表者名
      梅村 浩
    • 学会等名
      Tsukuba Mini-Conference on Hopf Algebras and Differential Galois Theory
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2015-09-14 – 2015-09-15
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Quantum Picard-Vessiot Theory2015

    • 著者名/発表者名
      梅村 浩
    • 学会等名
      Model Theory, Difference/Differential Equations and Applications
    • 発表場所
      CIRM
    • 年月日
      2015-04-07 – 2015-04-10
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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