研究課題
多変量正規分布モデルやt-分布、コーシー分布などを含む統計多様体の重要例である楕円型モデルに関し、測地線の明示的記述の観点からの研究方向を定めるとともに、その微分幾何学的研究に挑んだ。このことは、このような統計多様体がなすリーマン等質空間のリーマン対称空間への埋め込みに関する研究を促すことになったが、本研究期間中には決定的な成果は得られなかった。ただし一方で、正規分布モデルに関しては、この方向の研究を博士後期課程の学生である井上公人が進め、Eriksen の1987の論文に触発され、研究代表者らが2011年に特別な場合の考察を行い open problem としていた問題である、正規モデル上の測地線の初等的だが mysterious な Eriksen の構成について、その意味をリーマン対称空間(とくに対称錘)の Riemann submersion を用いて明らかにした。また、多変数の Meixner-Pollaczek 多項式をエルミート対称錘の枠組みで構成、その性質を明らかにし、レビ過程の一つである、多変量 Meixner-Pollaczek 過程(空間変数、時間変数ともに多変量となる)の研究の土台を築いた。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (2件)
International Mathematics Research Notice
巻: 2016 ページ: 759-794
10.1093/imrn/rnv145
Mathematica Scandinavica
巻: 0 ページ: 0
Journal of Combinatorial Theory, Series A
巻: 133 ページ: 76-96
10.1016/j.jcta.2015.02002
http://imi.kyushu-u.ac.jp/~wakayama/
http://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K000521/