研究課題/領域番号 |
25610012
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
満渕 俊樹 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80116102)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | テスト配位列 / K-安定性 / 偏極代数多様体 / Donaldson-二木不変量 |
研究実績の概要 |
テスト配位のモジュライ空間の自然なコンパクト化を構成するために,そのモジュライ空間の完備化を考察した.そして各テスト配位に対して定義される Donaldson-二木不変量を,テスト配位列全体の成すモジュライ空間で定義された不変量に拡張することに昨年度に既に成功していたが,以下のような形で出版にこぎ着けた.すなわち (1) 論文「The Donaldson-Futaki invariant for sequences of test test configurations」が Progress in Math., Birkh\"auser の第308巻 " Geometry and Analysis on Manifolds" に出版された.特に正則自己同型群が離散的でかつ定スカラー曲率 Kaehler 計量をもつような偏極代数多様体は強 K-安定となるが,これは続く論文に載せる予定である. (2) 新田泰文氏(東工大)との共著「Strong K-stability and asymptotic Chow-stability」で,一般の偏極代数多様体に対して,強 K-安定性から漸近 Chow 安定性が従うことを示したが,この結果も Progress in Math., Birkh\"auser の第308巻 " Geometry and Analysis on Manifolds" に出版された. (3) つい最近になって,論文「The Yau-Tian-Donaldson conjecture for general polarizations, I」において,強 K-安定性から定スカラー曲率 Kaehler 計量の存在を導く具体的なプランを提示したが,これは現在査読中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テスト配位列の極限点の考察において不可欠な,上記 (1) および (2) は,査読も無事終わり,実際に Birkh\"auser 社の Progress in Math. のシリーズの第308巻 "Geometry and Analysis on Manifolds" から出版された.さらに (3) で,テスト配位列のコンパクト化を用いた,強 K-安定性から定スカラー曲率 Kaehler 計量の存在を導くプランが出来つつあり,これらを総合すると,2年目としてはまずまずの達成度だと思われる.
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今後の研究の推進方策 |
我々の研究課題に密接に関連する種々の話題に関する小研究集会を繰り返し開き,知見を深めるとともに問題を煮詰め,研究目的達成への道筋を着実に確立する計画である.一方で,関連の書籍のみならず,計算機ソフトや計算機関連の備品も購入して,我々の研究を基礎から支える備品や消耗品として大いに活用したい. また,Pacific Rim Complex Geometry Conference と Trends in Modern Geometry を合体させた国際研究集会を組織して,情報収集のみならず研究成果の発表も行い国際的なレビューを受けたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者がオーガナイザーをつとめる国際会議 Pacific Rim Complex Geometry Conference の平成27年度に予定しているものは,他のシンポジウムTrends in Modern Geometry と合体して例年より大規模なものを開催する予定にしている.そのための経費を一部捻出するために,さかのぼって平成26年度の当該科研費の使用を控え目に抑えた.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額の部分の使用計画としては,平成27年度に東京大学で開催する国際シンポジウム Pacific Rim Complex Geometry Conference の旅費等に充てる予定である.
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