平成26年度の研究成果に基づき、平均曲率フローの完備セルフ-シュリンカー及び重み付き体積保存平均曲率フローの完備λ-超曲面に関する研究を行った。平均曲率フローのセルフ-シュリンカーに関する研究について、多項式面積増大度を持つスカラー曲率が一定な完備セルフ-シュリンカーを研究し、それの第2基本形式の長さの第2ギャップが存在することを示した。さらに、3次元Euclid空間内の第2基本形式の長さが一定なセルフ-シュリンカーを研究し、Ding-Xin (Trans. Amer. Math. Soc.2014)の定理で仮定した多項式面積増大度を持つ条件を外して、3次元Euclid空間内の第2基本形式の長さが一定なセルフ-シュリンカーを完全に分類した。 完備リーマン多様体上のラプラス作要素のOmori-Yauの広義最大値原理を、平均曲率フローの完備セルフ-シュリンカー上 のL-作用素に拡張し、それを用いて平均曲率フローの完備セルフ-シュリンカーの分類研究で成果を上げ、多項式面積増大度に関する条件を仮定せず、平均曲率フローの完備セルフ-シュリンカーの剛体性定理を示した。さらに、重み付き体積保存平均曲率フローのλ-超曲面の研究について、良い性質を持つ関数にL-作用素を適用することにより、多項式面積増大度をもつ完備λ-超曲面のギャップ定理を得た。さらに、埋め込みコンパクトλ-超曲面の存在性を研究し、具体的に埋め込みコンパクトλ-超曲面を構成する研究を行った。
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