研究課題/領域番号 |
25610020
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石井 豊 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 准教授 (20304727)
|
研究分担者 |
荒井 迅 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80362432)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | Henon 写像 / visualization / Julia 集合 / 4次元 |
研究実績の概要 |
今年度の実績は第一に、宇敷氏によって得られていたいくつかの複素 Henon 写像の Julia 集合をポータブル3次元バーチャル・リアリティ・システムに実装することを行った。これによって、今まで得られている多くの画像の3次元可視化がほぼ場所を選ばずプレゼンテーション出来るようになった。また理論的な側面としては、Warwick 大学の John Smillie 氏との共同研究である homotopy shadowing のテクニックが、離散点集合として与えられる画像データの補間に有効であることに気付き、より詳細な考察を開始した。さらに8月には複素力学系の研究者と可視化の専門家を集めたミーティングを行い、一見かけ離れた2つの分野の間の情報交換や、4次元可視化の可能性についての議論を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述のように、今年度はいくつかの複素 Henon 写像の Julia 集合をポータブル3次元バーチャル・リアリティ・システムに実装することができた。このように、本研究はおおむね順調に進展している。ただし、離散点集合をどのように補間するべきか、また3次元可視化された画像にどのような情報を付加して Julia 集合などの4次元の対象物を表現するか、という点についてはまだ明確な指針は得られていない。その意味で、当初の予想以上に進展しているとは言い難い。
|
今後の研究の推進方策 |
第一に、上述の homotopy shadowing を画像データの補間に応用に応用することついて、考察を続ける。そのための第一ステップとして、Biham-Wenzel のアルゴリズムを数学的に正当化することを目標とする。また可視化の専門家との情報交換を研究集会などを通じてさらに強化することで、3次元ではなく4次元のオブジェクトとしてのレンダリングを(まずは滑らかな対象に対して、そして次に Julia 集合などのフラクタル的な対象に対して)実装することを目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額としておよそ62万円が生じた。これは当初予定していた国内・海外出張が、先方の時間的な事情で取りやめになったからである。
|
次年度使用額の使用計画 |
当初の予定通り、共同研究者の所属機関への国内・海外出張を数回行う予定である。
|