本研究の目的は、2変数複素力学系に現れるジュリア集合などの重要な数学的オブジェクトを実3次元可視化技術を用いて表現し、そこから数学的に有用な予想を抽出したり、現在まで断片的にしか得られてこなかった(しかも表現が困難な)知見を理解可能な形でアーカイブ化することで、2変数の複素力学系における可視化と数学的理論との良好な関係を構築することにあった。本研究における具体的な成果としては、以下の3点が挙げられる。(1) 4次元から3次元への射影とレンダリングの非可換性。(2) 点集合として得られたジュリア集合の力学系的な補間法の確立。(3) 既存のジュリア集合の画像データを保存するシステムの構築。
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