研究課題/領域番号 |
25610041
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松尾 太郎 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00548464)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 天文学 / 太陽系外惑星 |
研究概要 |
本研究は、将来の宇宙赤外線干渉計による地球型系外惑星の撮像・分光の方式を室内で実証するものである。従来の干渉計は、二つの望遠鏡の距離を変えながら、天体からの位相を計測し、天体の分布を復元する。ここで、観測対象である惑星系が恒星光と惑星の点光源の集まりであることに着目すれば、望遠鏡の距離を変化させずに波長方向に位相を計測することによって、点光源の分布を明らかにすることが可能になる。 本方式は、干渉計のように二つの望遠鏡が必須であると考えられていた。しかし、すばる望遠鏡につづく、次世代超大型望遠鏡(Thirty Meter Telescope: TMT)の超巨大口径に着目すれば、その大型望遠鏡で干渉計を構成することによって本方式の応用が可能である事が分かった。さらに、本方式は、惑星の撮像・分光だけでなく、計測量である位相は主星と惑星において異なるので、主星と惑星光を分離することが可能である。すなわち、超大型望遠鏡でたくさんの光子をためることによって、大気の擾乱によるコントラストの低下を補うことが可能である。 本年度は、この実現可能性について、大気擾乱・TMT・本方式を模擬するコードを生成し。シミュレーションによって調べた。10時間の積分によって1AU近傍において地球型惑星の検出が可能であることが分かった。本方式は、TMTでの高コントラスト装置との親和性が高く、早い時期での実現が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題の申請時には、宇宙干渉計における地球型系外惑星の撮像方式の室内実験による検証を行なう予定だった。今年度は、方式のそのものを検証したために、申請時の計画書通りではなかった。しかし、宇宙干渉計より実現時期が早い、Thirty Meter Telescope(TMT)への応用が可能であり、さらにコントラストを向上できることが分かったので、この点において大きな進展があった。
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今後の研究の推進方策 |
本方式のThirty Meter Telescope (TMT)への応用について、シミュレーションにおける詳細検討を進める。さらに、問題点がないことが確認されれば、論文として発表を行ない、室内実証を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
方式の室内実証を行なうための経費を今年度に計上していた。しかし、方式の性能向上および次世代大型望遠鏡等への応用範囲が広くなったので、室内実証を一時中断し、方式の実現可能性についてシミュレーションの検証を行った。その結果、室内実証のための経費がそのまま次年度に繰り越された。 本方式の次世代大型望遠鏡での有用性をシミュレーションによって検証する。その有用性が確認された段階で、大型望遠鏡を模擬したテストベッドを構築し、本課題の目的である方式の室内実証を行なう。
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