研究課題/領域番号 |
25610046
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石徹白 晃治 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 助教 (20634504)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ニュートリノ / ねじれ振り子 |
研究概要 |
重力波実験で培われた超精密測定を素粒子実験、特にニュートリノ実験、へ応用する新しい実験方法を開発するのが本研究の目的である。本年度は、(1) 次世代ねじれ型重力波検出器 (TOBA-II)のデザイン、(2) TOBA-IIの素粒子実験への応用方法の検討、(3) 逆過程としてニュートリノの実験装置を利用した重力実験の可能性を検討した。 それぞれを詳細の述べる。(1)では、東大グループと協力して、0.1 Hzで10^-15 /rHz程度の変位換算雑音を持つTOBA-IIのデザインに成功した。熱雑音低減のために冷却ねじれ振り子を採用する予定である。この検出器では近傍天体起源の重力波、例えば連星中性子星合体やブラックホール準固有振動起源の重力波、を実際に捉えられる可能性がある。(2)ではニュートリノなどの素粒子と巨視的物体が中性コヒーレント散乱により運動量輸送を起こすことに注目して、TOBA-IIで検出可能な未知粒子の種類や質量などを評価した。(3)では、KEK重力波グループと協力してカムランド検出器の球状タンク内の水のon-offによる重力変動を、近傍に設置した超伝導加速度計を置いて調べることによる精密重力測定を検討した。タンク変形なども含む定量的な解析の結果、100mスケールにおいて、世界最高精度で重力法則を検証することが可能な実験デザインが存在することを明らかにした。今後、さらに詳細をつめて行く予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ねじれ型重力波検出器で検出可能な未知粒子の種類や質量などの研究がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ねじれ型重力波検出器で検出可能な未知粒子の種類や質量などの研究を加速させる。特に、太陽起源の未知粒子、暗黒物質の探索可能性。及び、加速器ニュートリノを用いたニュートリノの詳細研究の可能性に焦点を当てる。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した。 新しいアイディアに基づく研究なので、関連研究者との議論が重要になる。そのために主に旅費に使う。また、ねじれ振り子の極限性能追求のために実証実験のための物品費としても使用する予定である。
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