研究課題/領域番号 |
25610047
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤井 優 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30302079)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 速中性子検出器 / CLYC / 無機シンチレータ |
研究概要 |
本年度は、検出器本体の発注のほか、専用のデータ収集用モジュールの購入を行った。 そのうち、検出器本体は、受注生産であり、また標準納期6ヶ月のものが遅れたために、12月にようやく納品がなされた。その後、12月末に、東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンターにて準単色中性子を用いて、発光量および粒子弁別のデータを取得した。当初は二回散乱法により、入射中性子のエネルギーを変え、発光量の中性子エネルギー依存性を見ることから、発光量スペクトルで観測されているピークがどのような過程によるものかを推定する予定であったが、検出効率が低いことから、二回散乱では充分な統計を得ることができず、得られたスペクトルの解釈については、不明なままとなった。しかしながら、28MeV中性子の直接入射でのスペクトルにおいては、発光量に鋭いピークが見られ、何らかの核反応により生じた単色の荷電粒子による発光であることが示唆されたが、前記の通り、二回散乱法を用いた入射中性子エネルギー依存性を見ることができなかったため、決定的なことは言えなかった。今後の研究の展開においては、先の実験で得られたピークがどのような反応によるものかを同定することを主眼に置き、AmBe 線源および Cf 線源を用いた予備実験を行った後、東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンター、もしくは東北大学工学部の高速中性子実験施設においての実験を行い、確定的な結果を得る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度に予定していた実験のうち、二回散乱法による実験データの統計が不足し、発光量の中性子エネルギー依存性が求められなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、東北大学の速中性子照射実験施設を用いて、新型中性子検出器の速中性子に対する発光量レスポンスの中性子エネルギー依存性を見ることとする。この施設で実験を行うことにより、フレキシブルに中性子エネルギーを変化させ実験を行うことができ、目標としている、速中性子に対する発光量レスポンスを求め、この検出器が使用可能な中性子エネルギー範囲、得られるエネルギー分解能についてまとめることとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
必要物品の実際の価格が、為替変動、価格の変動により安くなり、端数が残ったものである。 次年度は、主に測定装置の不足分と、旅費に研究費を用いるが、その際に次年度使用額も含めて使用する。
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