研究課題/領域番号 |
25610048
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
門叶 冬樹 山形大学, 理学部, 教授 (80323161)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 光検出器 / 放射線 |
研究概要 |
感光性結晶化ガラスを新素材に用いたガス放射線検出器と可視光に感度の高いアルカリ光電面を複合化させた『ガス光電子増倍管(ガスPMT)』開発のための基礎研究を行った。 まず、有限要素法電場解析ソフトMaxwell-3Dとガス中での電子増幅シミュレーションソフト Garfieldを用いて、『感光性結晶化ガラス』を細孔型MPGDとして用いる場合のガラス厚、細孔の形状とそのピッチについてパラメータの最適化を行った。その後、アルカリ光電面との化学反応性が低い『感光性結晶化ガラス』に、エッチング加工により細孔を設け、両面に銅の電極を施し、細孔型マイクロパターンガス検出器(MPGD)を製作した。製作した細孔型MPGDを専用のステンレスチェンバーに設置し、アルゴンおよびネオンガスそれぞれに数%のクエンチングガスを混合し、1気圧充填させたのち封じ切り、X線を照射させてガス検出器としての特性試験を行った。 高エネルギー加速器研究機構フォトンファクトリーのビームライン(BL-14A)にて、6keVのX線ビームを照射した試験において、感光性結晶化ガラス1枚および2枚のタンデム動作で、それぞれ電子増殖度5000および60000を達成した。また、エネルギー分解能が典型的なガス検出器と同等の18%以内を達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
感光性結晶化ガラスを用いた細孔型MPGDを電場シミュレーションにより設計し、製作した。X線ビームを用いた特性試験によりガス放射線検出器としての性能を有することがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究で最適化を行った細孔型MPGDと紫外光から可視光領域に感度を持つアルカリ光電面を複合化させ、ガス光電子増倍管の前置増幅器および主増幅器としての性能評価試験を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
ガス放射線検出器の特性試験として、Heガスの使用を検討したが、世界的なガス不測の影響により入手が困難となったため。 ガス光電子増倍管の特性試験では平成25年度の成果により、ネオンガスを主ガスとして取り組む。そのためのクエンチングガス特性試験を行う。
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