福島第一原発事故では90Srを含んだ汚染水の漏出が続いている。90Srは高エネルギーβ線を出し、生体内でCaのように骨に沈着する。γ線を放出しないため測定が困難で、JIS規格の計測法では4週間程度必要である。 我々は屈折率1.05のシリカエアロゲルを使ったチェレンコフカウンターで、1.2MeV以上のβ線に反応し低エネルギーβ線やγ線にほとんど反応しない90Sr測定器を開発した。有効面積300平方cmの試作品は1分の計測時間で表面汚染密度を0.1Bq/平方cmの精度で測定できる。この測定器は大型化が容易で、1平方mの装置なら10分の計測で排水の体積汚染密度を10Bq/㍑で測定できる。
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