自己重力系の進化を追う6次元ボルツマンコードを開発した。その基本スキームは、空間5次あるいは7次精度で、速度分布関数の単調性および正値性を保証し、時間積分をセミラグランジュ的に行うものであるため、従来のボルツマン(ブラソフ)ソルバーよりも高速で実行でき、結果の精度も高い。実際に、自由流やランダウ減衰などのプラズマ物理および自己重力シミュレーションの基本テスト問題に適用し、その解の精度と収束性を確かめた。最終年度には、ニュートリノなどの熱的成分にはブラソフソルバーを用い、ダークマター成分には従来の粒子法を用いるハイブリッドコードを開発し、宇宙論的構造形成シミュレーションをおこなった。
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