研究課題
本研究は、超高エネルギー宇宙線観測のための低コスト望遠鏡の研究開発である。超高エネルギー宇宙線は到来頻度が年間1平方キロメートルあたり1事象程度と少なく、観測には非常に大規模な実験施設が必要となり、高コスト化がさけられない。本研究で開発中の検出器は、フレネルレンズと大きな受光面を持った光電子増倍管1個から校正される望遠鏡(単ピクセル望遠鏡)で、超高エネルギー宇宙線観測に使用する大気蛍光望遠鏡のコストを従来の10分の1程度に抑えることが可能となる。これにより、低コストかつ大規模展開を実現させることができるようになる。本年度は、望遠鏡の設計、製作、データ取得システムの構築を行った。従来の予定では、従来の方法で観測が行われている米国ユタ州のテレスコープアレイ実験所にて試験観測を行う予定であったが、計画時に使用する予定であったデータ取得システムを利用することができなかったため、新たにデータ取得システムを構築したためスステムの試験が遅れ、試験観測は実施できなかった。一方、望遠鏡の検出感度を校正するための新しい光源装置の開発を行った。本光源装置はラジコンヘリコプターに搭載されているため、設置場所の移動が容易な単ピクセル望遠鏡の校正に非常に有用である。本校正装置を使用して、データ取得システムの最終試験と望遠鏡の校正を、東京大学宇宙線研究所明野観測所にて5月に予定している。また年内に米国ユタ州での実地試験観測を計画している。
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