本研究では,高粘度媒体中に多数の結晶シンチレータを分散し,あたかもそれを1つのシンチレータ系として取り扱い,将来の大型ニュートリノ研究に用いる事を目的に,この系の開発・研究を行った.この目的のため,2種類の結晶シンチレータの発光スペクトルと屈折率,加えて,6種類の高粘度媒体をの屈折率を測定した.この測定を元に,3つの短い結晶シンチレータを媒体に導入した場合と,1つの長い場合とで,Cs137からのガンマ線に対して発光量がどのように変わるかを比較した.その結果,複数のシンチレータを用いた場合でも,界面での発光量の減少は予測よりも少なく,従って,あたかも1つの系として取り扱う可能性を示した.
|