研究課題/領域番号 |
25610063
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
西口 創 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (10534810)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 素粒子実験 / 粒子測定技術 / ガス検出器 / タイムプロジェクションチェンバー |
研究概要 |
研究計画初年度の最も重要な開発項目として、30cmの曲率半径で湾曲させたGEMフォイルを3層実装したGEM検出器を製作した。薄膜を湾曲させた上でフレームに100ミクロン精度で固着することは困難を極めたが、フレームの固定方法・固定のためのネジの方向等、機械的な加工手段の最適化を図ることで最終的に成功した。 その後、当初計画通り、3cm角の大きなパッドを持った読み出し部を設置し、湾曲形状にした上でもGEM機構によるガス増殖が起きることを確認し、その信号を取得することに成功した。これで、本研究課題の最終目標である放射状電場タイムプロジェクションチェンバーを実現する上で、読み出しセンサーを担う湾曲型GEM検出器部分までを実現することに成功した。 今後は、残りの開発項目である湾曲電極部分の開発と、製作した湾曲型GEM検出器の基礎特性試験を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初想定された湾曲型GEM製作に関する技術的困難は、想定通り困難を極めたが、最終的にこれを解決し、湾曲型GEM検出器として実装することに成功した。初年度の研究目標はこれを以て大幅に計画以上に進んでいるが、一方で、湾曲型電極の開発に関しては若干遅れているため、研究計画全体としての達成度としては、概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、残りの開発項目である湾曲電極部分の開発と、製作した湾曲型GEM検出器の基礎特性試験を進める予定である。 特に、湾曲型GEM検出器に関しては、ガス増殖機構の基礎特性(増殖率計測、ガス拡散係数測定)を進め、最終的に粒子線検出器としての検出性能(位置分解能、検出効率)を計測して、基礎性能試験を終える。 一方、湾曲型電極に関しては、薄膜電極による高電圧印加機構としての加工を急ぎ、今年度内にタイムプロジェクションチェンバーとしての実装を最終的に目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費が当初計画と異なったため。 電極製作経費に補填。
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