平成25年度に製作した高精度高電圧印加電極(湾曲GEM込み)を湾曲電極に改造し、さらに曲面の精度を保持するための高精度支持機構を作成した。「湾曲半径30cmで曲面精度100ミクロン以下」を目指して製作し、複数回の試行を経た後完成した。この電極の高精度支持機構に前年度に製作済みの湾曲GEM電極を実装し、放射線検出器として完成させた。支持機構の製作と、要求精度達成のための試行に想定以上の時間が掛かり、放射線検出器としての完成をみたのは年度末となってしまったが、最低限の検出器としての動作確認のみを実施することが出来た。このサイズでこの湾曲方式での湾曲GEM型検出器の実現は世界でも初めてのことであり、本事業完了後にも、高エネルギー物理領域における新しい検出器開発として継続していく予定である。 尚、高精度支持機構への実装手法及び位置精度の測定に関して、研究協力者である九州大学大学院生の寄与が大であった。
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