高エネルギー物理実験における粒子検出器の一つであるタイムプロジェクションチェンバー(TPC)は、入射粒子と同じ方向に電場を印可することで精度の悪化を抑制するが、逆にこれが入射頻度に制限を与えていた。今般実現された大強度陽子加速器施設(J-PARC)等の大強度ビーム環境では、従来より高頻度で事象を精度良く検出する必要があり、従来の電場方向とは異なる放射状電場を採用したTPCを実現し、大強度ビーム照射環境で運用可能な荷電粒子飛跡検出器の実現を目指した。特に読出センサーに用いる湾曲GEM(Gas Electron Multiplier)検出器の開発において大きな成果を挙げる事が出来た。
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