核生成時の前駆体の役割は、今世界的に注目されている課題である。本研究課題では、水に代えてイオン液体を溶媒に用いた透過電子顕微鏡による溶液成長の“その場”観察実験により、核生成過程を相同定を含めてナノスケールで直接観察することに初めて成功した。その結果、安定相に加えて、準安定結晶も同時に生成することが分かった。また、準安定相が安定相に接触すると、瞬く間に取り込まれる現象や、成長速度はほとんど同じであるのに、溶解速度は準安定相の方が大きいことも分かり、これらの結果として最終生成物の結晶相が決まるという、全く新しい核生成径路を発見した。
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