近接場光学(NFO)に相応しい微視的応答理論を構築した.NFOには:(1)ナノ構造の低対称性により電気的・磁気的応答が区別不可能で誘電率・透磁率が論理的に使えない,(2)スカラーポテンシャル(SP,非放射場)とベクトルポテンシャル(VP,放射場)が応答の原因として共存する,という特徴がある.これを考慮してSP・VPを原因,誘導電荷密度・電流密度を結果とする線型・非戦型の単一感受率を作用積分の汎関数微分から系統的に定義した.また,モデル系に適用しSP,VPに対する応答に質的違いがあることを明らかにした. 最終目標である誘電率・透磁率の代替となる現象論的単一感受率は構築途上であり今後もこれを目指す.
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