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2013 年度 実施状況報告書

グラフェン量子ドットの創生と光電子変換機能の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 25610074
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関京都大学

研究代表者

松田 一成  京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (40311435)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードグラフェン / 光電変換 / 太陽電池
研究概要

量子効果を積極的に利用した新しい光電変換の物理を開拓することが光エネルギーの高効率利用に向け求められている。グラフェンなどを含むナノカーボン物質では、通常の半導体にはない特異な線形バンド分散を有しており、新しい光電変換の物理を研究する舞台となりうる。ここでは、そのような観点から新しいナノカーボン物質であるグラフェン量子ドットを作製し、まずその光学的性質を明らかにすることを目的として研究を進めた。本年度は、新たなグラフェン量子ドット作製とその基礎光物性の解明に重点的に取り組んだ。光電変換物質としての光物性研究を念頭に入れた場合、ある程度の多量のサンプルが必要とされる。そのような目的のために、大きさが数nmサイズのグラフェンフレークである「グラフェン量子ドット」を溶液プロセスで作製した。また、太陽光エネルギーの高効率な光電変換応用を考えると、可視光から近赤外光付近に吸収をもつグラフェン量子ドットが望まれ、より大きなサイズを有するグラフェン量子ドットが必要である。そこで作製条件を詳細に検討し、マイルドな条件での超音波分散、低温反応を利用したエッチング、などのプロセスを利用しその条件を最適化することで、~10nm程度のより大きなサイズを有するグラフェン量子ドットが可能となった。さらに、高速液体クロマトグラフィーを利用して、グラフェン量子ドットのサイズ分離にも成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、従来に比べよりマイルドなグラフェン量子ドット作製条件を試みることで、太陽光エネルギー利用の目的に合致した、よりサイズの大きな(10nm以上)グラフェン量子ドットの作製に成功している。さらに、当初難しいと予想していた高速液体クロマトグラフィーによるグラフェン量子ドットのサイズ分離にも成功するなど、着実に研究が進展している。

今後の研究の推進方策

グラフェン量子ドットの光学デバイス応用
前年度までに進めた研究を発展させ、グラフェン量子ドットにおいて期待される特異な光電変換プロセスを光学デバイス応用へと進める。まず、ナノカーボン物質の一種であるカーボンナノチューブをベースに太陽電池デバイスの作製を進め、そこでの知見を活かし、新しく作製するグラフェン量子ドットをベースにした太陽電池デバイス作製を進める。そこでの光電変換プロセスを理解しながら、光学実験を通して新たな光電変換機能などに向けた研究を進める。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額が生じた理由として、研究経費の執行状況から次年度に繰り越し翌年度分を合わせることで、効率的な研究費の執行が可能と判断したため。
繰り越した分と合わせ、実験用消耗品等や人件費・謝金としての執行を計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Changing photoluminescence spectra of graphene oxide by centrifugation treatments2013

    • 著者名/発表者名
      D. Kozawa, S. Mouri, Y. Miyauchi, and K. Matsuda
    • 雑誌名

      Phys. Stat. Solid. (c)

      巻: 10 ページ: 1600-1603

    • DOI

      http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/pssc.201300232/abstract

    • 査読あり
  • [学会発表] 酸化グラフェンの青色・紫外発光のメカニズム

    • 著者名/発表者名
      小澤 大知, 宮内 雄平, 毛利 真一郎, 松田 一成
    • 学会等名
      酸化グラフェンシンポジウム,
    • 発表場所
      熊本大学(熊本市)
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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