今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、小角電子線散乱法と原子分解能HAADF法を用いて、PMN-PTや(1-x)BiFeO3-xRTiO3(R=Ba, Sr,Ca)のMPB領域で形成される階層的ドメイン構造における周期性や各ドメイン構造内での自発分極の方向や大きさについて評価する。 (1) リラクサー誘電体(1-x)Pb(Mg2/3Nb1/3)O3-xPbTiO3 ((1-x)PMN-xPT)やPb(Zr1-xTix)O3(PZT)のMPB領域で形成される階層的ドメイン構造での自発分極の起因となる原子の変位パターンについて、走査型透過電子顕微鏡法による原子分解能HAADF法を用いて調べていく。特に、マイクロサイズのドメイン構造とナノサイズのドメイン構造のドメイン境界での原子レベルでの変位パターンを明らかにする。 (2) 、(1-x)BiFeO3-xRTiO3(R=Ba, Sr,Ca)系について固相反応法で多結晶試料を作製すると同時に、FZ法による単結晶試料作製を行う。また、PMN-PTでのMPB領域での階層的ドメイン構造と圧電性と相関に関する知見をもとにして、BiFeO3-RTiO3(R=Ba, Sr, Ca)でのMPB領域の有無およびドメイン構造と圧電性の相関を明らかにする。特に、階層的ドメイン構造の有無を調べるとともに、ドメイン構造の特徴やドメイン境界での原子変位パターン等について、小角電子線散乱法および原子分解能HAADF法により明らかにする。
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