強磁場マグネット内部に設置する極低温クライオスタットの試料室に収まる高効率集光装置を開発した。高効率測定のために、焦点調節機構及び光軸傾斜機構を有し、さらにピエゾ試料走査ステージを組み込んだ非常にコンパクト共焦点光学系を設計・製作した。さらに大型強磁場マグネットが発生する振動や漏れ磁場の影響を避けるため、10メートルの長尺光ファイバ光学系を採用し、光ファイバの自発蛍光を最小化する機構を開発した。この装置を用いて、石英ガラス上の単層グラフェンのラマン散乱測定を行った。光ファイバを用いた強磁場マグネット挿入用プローブの光学系では、単層グラフェンからのラマン散乱スペクトルの測定は世界初である。
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