光学応答は物性の理解に極めて有効であるが、回折限界のため原子分解能を達成できないという制限がある。一方で研究代表者はX線パラメトリック下方変換を利用することで、真空紫外光に対する物質の光学応答をX線の持つ原子分解能で解明することに成功している。本研究では、この手法を可視光領域に応用してミクロな光学応答を解明することを目指した。微弱な非線形光学過程を測定できるようns精度の同時係数回路と可視光およびX線の高効率検出システムを開発した。しかしながら、試料の蛍光とBragg反射されたX線の偶発的な同時計数を十分に抑えることができず、可視光へのX線パラメトリック下方変換の観測には至らなかった。
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