パルスマグネットに挿入可能な高速顕微鏡システムの開発に成功した。この開発によってより広い温度磁場範囲での実験や、透過配置における観察も可能になった。その観察対象として基礎物性を評価していたマルチフェロイック物質では、カイラル反強磁性体における磁場誘起の新規強誘電相の発見や、ビスマスフェライトにおける不揮発性電気磁気メモリー効果の発見などの成果を得た。ビスマスフェライトのメモリー効果の起源を検証すべく、本研究で開発したイメージング装置によるドメイン観察を行った結果、近赤外光の透過で見られるドメイン構造は、不揮発性メモリー効果の起源となる電気磁気ドメインとは別物であることがわかった。
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