破壊型パルス強磁場において精密磁化測定を可能にするため、100 MHz程度の高周波を用いた交流変調技術の開発を行った。様々なノイズ成分の除去には効果があったが、投入できる電力が励起コイルサイズによって制限され、信号の絶対値を十分大きくすることは難しかった。100 T超強磁場においてフラストレーションスピン系のメタ磁性の観測には成功したが、従来法に比べて精度の向上を得ることはできなかった。しかしながら、開発した手法の励起AC磁場の周波数依存性から、相転移の特性時間を見積もることが可能であることを新たに見いだした。これは極限磁場中で起こる現象のダイナミクスを探る新たな手法として興味深い。
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