スピン-フォノン間相互作用をもつフォノン系において、フォノンの自由度を解析的に消去することにより、有効ハミルトニアンを導出する方法を開発した。この有効ハミルトニアンは、エネルギー的に競合するスピン間相互作用からなるフラストレート量子スピン系を記述している。さらに、この方法を、幾何学的構造変化を考慮した相互作用がある一次元系、フォノンによる鎖間相互作用がある高次元系、最近接・次近接スピン-フォノン間相互作用がある一次元系に適用できるよう拡張した。フォノン系とフラストレート量子スピン系を関連づける手法を用いることにより、二つの系の基底状態で生じる新奇な状態や相転移を関連させて理解することができた。
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