本研究は、薄膜状になったアスコルビン酸水溶液からの溶媒蒸発による球晶成長で見られる成長モードの動的転移、パターン形成についての研究であり、特に、環境の湿度による溶液の粘度変化、結晶成長に伴う溶液の流動性、流動性が引き起こす膜厚の変化に着目して、実験、ならびに、数理モデリングを行った。 具体的には、(1)光ピンセット法を用いた、薄膜状アスコルビン酸水溶液の粘度測定、(2)アスコルビン酸水溶液に数ミクロンのビーズを入れ、球晶成長時の溶液中でのビーズの運動を観察して溶液の流れを可視化、(3)高粘性薄膜状溶液からの球晶成長に対する溶液の流動性を考慮した理論の構築を行った。
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