現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度は、まずKRb分子の生成効率の安定化に取り組んだ。分子の生成効率を左右する要因として、磁場ゆらぎが挙げられる。実験中の磁場ゆらぎを評価するために、磁場に敏感なマイクロ波遷移の周波数を測定し、その長期的なゆらぎを観測した。具体的には41K87Rb |X1Σ, v=86, N=0, F1=3/2, F=0, mF=0>と|a3Σ, v=16, N=0, F1=1/2, F=1, mF=1>の間の634MHzにある遷移を駆動し、そのゆらぎを観測した。その結果、時定数が1分ほどで絶対値にして10mGほどゆらいでいることが分かった。このゆらぎは地磁気補正用のコイルに追加で補正電流を流す事でキャンセルが可能である。また、磁場に敏感な遷移と敏感でない遷移の線幅の差は磁場勾配から来ると考えられるので、Δm=0とΔm=1の遷移の幅を比較することで、磁場勾配も検出することができる。この方法で磁場勾配を、メインのコイルと中心軸をずらした補正コイルを新たに加えることで、キャンセルすることができた。
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