研究実績の概要 |
本研究の最終目標は、ごく最近代表者により発見された「軌道角運動量をもつ電子ビーム」の研究(Nature, 2010)を踏まえ、波動関数 (位相) の制御による「軌道角運動量をもつイオンビームの生成」することである。そのために必要な計算およびシミュレーションを行った。この結果、原子ビーム波動関数の制御にはフォーク型回折格子による方法が、現状では最も適していることが分かり、光学系に最適な回折格子の設計および作製を行った。回折格子の作製は集束イオンビーム(FIB)装置を用いて行い、回折格子の評価はFIB、電子顕微鏡、および26年度本助成金で購入改造したデジタルイメージングシステムを用いて行った。また作製した回折格子をイオンビーム装置に組み込みイオンビーム照射のテスト実験も行った。本研究により、「軌道角運動量をもつイオンビームの生成」に必要な条件、回折格子作製条件などが明らかにされた。
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