本研究は現在明確には観測されていない中周期帯、すなわち継続時間が1000秒から10万秒程度のスロー地震を観測する手法として、新規にレーザー歪偏差計を開発し、プレート境界などで起こると予想される当該イベントの初検出を目指すものである。レーザー歪偏差計は同一直線上の2本の基線の間の歪の差、すなわち歪偏差をレーザー干渉計で直接計測する。機器の主要なノイズは温度変化による構成部品の熱膨張であると考えられ、温度環境の実測および有限要素法による熱伝導シミュレーションを行い、温度変動の影響を受けにくい装置の基本構成や設置方法に関する結論が得られた。それらに基づいた歪偏差計を設計・製作した。
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