本研究では、観測船から高度100-200m程度で曳行するバルーンに熱赤外カメラを装着し、海面の海洋微細構造を計量するシステム開発に取り組んだ。2013年の8月に伊予灘(瀬戸内海)で、2014年9月に玄界灘において、サーモグラフィ搭載のバルーンを調査船で曳行し、可視化された海表面水温から、沿岸海洋前線(フロント)構造や、前線に発達する舌状構造を確認した。さらに水平規模が10 m 以下の微細渦(水温の パッチネス構造)の可視化に成功した。また、微細渦の前線周辺での生成や、それ以降の 移動に至る一連の時間発展が追跡できた。
|