受動型および能動型の衛星観測データから、数値気象モデルの出力を併用して雲の特性を解析し、以下の結果を得た。東シナ海の水温変化による雲の内部構造への影響を調べるため、黒潮上と周辺域の雲の幾何学的厚さを比較したところ、降水性の場合は黒潮上で雲の幾何学的厚さが顕著に増加していた。さらに黒潮上では下層から中層にかけて雲内部の降水強度が増加することを示した。一方、黒潮上の雲では正味の放射加熱率の強い下層から中層は2~4K/dayとなっており、潜熱・顕熱加熱に比べるとやや低いものの、気温を変化させる非常に重要な要因として考える必要があることを示唆した。
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