研究課題/領域番号 |
25610144
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
梅田 隆行 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (40432215)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | プラズマ科学 / ハイパフォーマンスコンピューティング / 地球惑星科学 / 計算科学 / 第一原理 / 計算機シミュレーション |
研究概要 |
本研究グループにおいてこれまでに開発してきた5次元電磁ブラソフコードに関して、「京」コンピュータやその後継機種であるFujitsu FX10及び、最新のIntel Xeon (IvyBridge)プロセッサを搭載したPCクラスタ型スーパーコンピュータ(Fujitsu CX400)において計算性能の最適化を行い、17%の実効効率を達成した。また、新たに6次元コードの開発に着手した。 さらに、5次元電磁ブラソフコードを流体的現象に適用した大規模シミュレーションを実施した。弱磁化小天体と太陽風の相互作用では、太陽風イオンのウェイク内への侵入過程について、昼側の閉じた磁力線付近に現れる磁気圏境界面で太陽風イオンが反射し、その一部が惑星間空間磁場によって加速され、ジャイロ運動によって夜側ウェイク領域に運ばれることを明らかにした。また磁気リコネクションでは、電磁場からプラズマへエネルギー変換が起こる領域として定義される粒子拡散領域の構造と、磁気拡散が生じている領域の構造を比較し、電子のエネルギー拡散領域が磁気拡散領域と非常に近い空間構造を持っていることを明らかにした。さらにケルビン-ヘルムホルツ不安定性については、渦の回転方向とイオンジャイロ運動の回転方向が同じ場合と逆の場合についてシミュレーションを行った。非線形段階において2次的に生じるイオンジャイロ半径スケールの渦について、順回転と逆回転では発生する場所が異なることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
電磁ブラソフコードの6次元化は行ったものの、5次元コードに比べて計算効率が悪く、コードの性能最適化ににやや手間取っている。
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今後の研究の推進方策 |
6次元コードに関しては、メモリ消費量が大きいために、並列化のための高効率なデータ分割法について検討を行う。また、メモリ消費量を抑えるための新たな計算方法についても検討を開始する。 また、5次元コードによる磁気リコネクション及びケルビン-ヘルムホルツ不安定性のシミュレーションを引き続き行うと共に、計算結果のデータの解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
大容量メモリ高速計算機を導入する予定であったが、最新CPUの単価が値上がりして予算に収まらなかったために導入を断念した。 大容量メモリ高速計算機を同等の使用を持つ九州大学のスーパーコンピュータ利用料に使用する。
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