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2013 年度 実施状況報告書

堆積物中セルロース酸素同位体比分析による古気候復元

研究課題

研究課題/領域番号 25610146
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関北海道大学

研究代表者

山本 正伸  北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (60332475)

研究分担者 関 宰  北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (30374648)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードセルロース / 酸素同位体 / 降水 / 泥炭 / 気候変動 / 完新世
研究概要

本研究では,土壌,泥炭,湖沼堆積物中に残されている植物遺骸のセルロースの酸素同位体比を分析することにより,降水の酸素同位体比に関する情報を得る手法を確立する.本年度は堆積物から植物編を集めてセルロースのまま熱分解同位体質量分析計で測定する方法を検討した.研究の途中で,セルロースと間隙水の酸素同位体比を比較することがセルロースの酸素同位体比を解釈するうえで大いに役立つことに気がついた.間隙水と植物遺骸をセットで分析するために,間隙水に留意した方法で利尻南浜湿原泥炭コアをピートサンプラーを用いて新たに採取し,アラスカ泥炭試料(表層部のみ)についても園芸用はさみを用いて新たに採取した.泥炭を構成する植物の種類を同定し,記載した.泥炭コア2本から計200試料を選び,間隙水の抽出を行った. 含水率から1m深前後に地下水面があることが明らかになった.また,植物遺骸を8種類程度に形態別に分け,それぞれについてリグニン分解を行い,セルロースの精製を進めた.間隙水の抽出方法としては遠心分離による方法がもっとも適切であることが分かった.植物遺骸を集める方法を検討した結果,ピンセットを用いて,肉眼で識別しながらピックアップしてゆく方法が,時間がかかるが,最も確実であることが分かった.セルロースの精製方法については,樹木年輪分析で従来から用いられた方法が適用可能であることが確かめられた.また,セルロースを分解し,糖に変える反応につき検討を始めた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

泥炭試料から,植物遺骸をピンセットでよりわけて集めるのが最も適切であることが分かり,その方法で進めている.分析補助員を一名雇用し,1日5時間程度かけて,この作業を進め終了した.この作業に予想よりも時間がかかったため,計画全体では2ヶ月程度の遅れが生じている.

今後の研究の推進方策

分離した植物片のセルロース精製を終了し,その酸素同位体比を測定する.間隙水の酸素同位体比を測定する.両者を比較し,セルロースの酸素同位体につき,高等植物とミズゴケの差に着目しながら解釈を行う.この知見をとりまとめ論文を作成する.また,セルロースの糖への分解反応の検討を進め,分解および誘導体化のさいに生じるかもしれない同位体比の変化を明らかにし,糖を経由した分析方法の妥当性と将来性を検討する.

次年度の研究費の使用計画

分析補助員の給与4ヶ月分(2013年12月ー2014年3月分)を前倒しで申請した.しかし前倒しが可能になったのが1月末であったため,1月分の給与を本研究予算から支払うことができず,他予算から支払った.このため給与約1月分の予算を残すことになった.
分析補助員の今年度の給与として使用する予定である.

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公開日: 2015-05-28  

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